《解説》電動コンポのメリット・デメリットは?導入にはいくらかかる?
目次
プロの自転車ロードレースでは当たり前になり、ホビーライダーの間でも利用者が増えている「電動コンポ」。
日本のSHIMANOからは「Di2」というロードバイク向け電動コンポシリーズがラインナップされていますが、気になっている方も多いのではないでしょうか。
「電動コンポにすると何が良いの?」「デメリットもあるんじゃない?」など、疑問に思うことも多いはずです。
そこで今回は電動コンポのメリット・デメリットをご紹介します。
電動コンポの導入にいくらかかるのかも含めて詳しく見ていきましょう。
電動コンポの種類
従来のシフトレバーの操作によってワイヤーを引っ張ったり、緩めたりして変速を行う仕組みを「機械式」と呼び、シフトレバーをスイッチとして電気の力で変速を行うコンポーネントを「電動式」と言います。
代表的なのは、SHIMANOの「Di2」シリーズですが、その他のコンポメーカーでも電動コンポのラインナップはあります。
・カンパニョーロ:EPS(☆機能的で美しい)
・スラム:e-TAP(☆ワイヤレス)
ただ、価格や精度、耐久性など総合的な観点から言えば、SHIMANOのDi2が圧倒的にコスパが高いと言われています。
初めて電動コンポを導入するのであれば、SHIMANO Di2を選ぶのが無難です。
電動コンポのメリット
電動コンポのメリットは以下の5点です。
①シフト操作がスムーズになる
②手の小さい人でも扱いやすい
③どのポジションでも変速可能なカスタマイズができる
④オートトリム機能
⑤ワイヤー類が不要でメンテナンスや交換の手間が省ける
機械式と比較してどう違うのかに注目して見ていきましょう。
①シフト操作がスムーズになる
従来の機械式ではシフトレバーを深く押すことでワイヤーに力を加え、変速を行ってしましたが、電動コンポだとレバーがスイッチになっており、軽く押すだけで変速が可能です。
ディレイラーの動きも電動なので正確性も高く、素早いレスポンスで快適なシフトチェンジができます。
シフト操作がスムーズになると路面状況に合わせたより細かいギアチェンジが可能になります。
レースだけでなく、ロングライドでも最適なギア選択による効率的な走りで疲労を軽減できるはずです。
②手の小さい人でも扱いやすい
機械式のシフトレバーは、変速の際のストロークが大きいため、手の小さい人だと扱いにくい部分がありました。
電動コンポだとシフトレバーのスイッチを軽く押すだけで変速ができるため、手の小さい人でも扱いやすくなるでしょう。
操作が楽になれば、細かいシフトチェンジを通じて常に最適なギアを選択する意識も高まるはずです。
③どのポジションでも変速可能なカスタマイズができる
SHIMANO Di2シリーズでは、カスタマイズパーツを使うことでシフトレバー以外の部分から変速をすることができます。
「スプリンタースイッチ」や「サテライトスイッチ」と言うパーツで、これを使うとフラットバーや下ハンドルを握りながらの変速も可能になります。
電動で変速を行うため、スイッチとディレイラーをケーブルで接続すれば使用可能な仕組みが活かされています。
④オートトリム機能
「トリム」というのは、シフトレバーを半押しすることで、フロントディレイラーの位置を少しズラすことで、チェーンとディレイラーの干渉を防ぐ調整のことです。
機械式だと前後のギアがどこにあるかによって、トリム調整の必要性が生じます。(例:フロント:インナー、リア:トップに近いギアなど)
この地味にめんどくさいトリム調整ですが、電動コンポ(SHIMANO)では、自動で行ってくれます。
ギアチェンジに合わせて最適な位置にトリム調整を行ってくれるので、ギアの噛み合わせを考慮する必要がありません。
走行中の考えるべきことを極力減らせるので、走りに最大限集中することができるでしょう。
⑤ワイヤー類が不要でメンテナンスや交換の手間が省ける
電動コンポには、ワイヤー類がないため伸びや劣化などを気にする必要はありません。
ワイヤー交換やディレイラー調整なども不要になるため、メンテナンスやパーツ交換の手間が省けます。
ワイヤー伸びによる変速のズレも起きないので、一度調整すればずっと快適な状態をキープできるでしょう。
電動コンポのデメリット
電動コンポのデメリットとして挙げられるのは以下の2点です。
①故障した時に手が付けられない
②バッテリーの充電切れには注意しよう
電動コンポを導入するときの心構えとして覚えておきましょう。
①故障した時に手が付けられない
電動コンポは走行中のトラブルに対して、その場で対処するのが難しいというデメリットがあります。
バッテリーやケーブル類の故障によって変速ができなくなった場合、その場で直すのはできないでしょう。
機械式であれば構造がアナログな分、ある程度のトラブルであれば対処が可能です。
②バッテリーの充電切れには注意しよう
電動コンポで最も注意が必要なのが「バッテリー切れ」です。
SHIMANO Di2では、1回の充電で約700km持つと公表されていますが、長距離のサイクリングや自転車旅をする際には、バッテリーの確認をしなければなりません。
バッテリーが切れると変速ができなくなってしまいますし、アナログなやり方で調整するのも難しくなります。
電動コンポの導入費用は?
電動コンポの導入を検討している方でやはり気になるのは「費用」ですよね。
ちなみにSHIMANO Di2のULTEGRAグレードだと定価約18万円で、ネット通販の割引価格だと12万円程度で購入することができます。これにコンポ交換の工賃を足すと、合計15〜20万円程度が必要と考えられます。
ただ、今お使いのコンポをベースに電動化するのであれば、もう少し費用は抑えられます。
電動化で交換が必要なのは「シフトレバー」「F/Rディレイラー」のみなので、クランクセットやスプロケ、チェーン、ブレーキキャリパーなどは流用が可能です。このパターンであれば総額10万円程度で電動化が可能です。
コンポのアップグレードをお考えの方は、機械式のままグレードを上げるのではなく、思い切って電動コンポを導入してみてはいかがでしょうか?
まとめ
電動コンポのメリットやデメリットについて解説しました。
SHIMANOのDi2シリーズは、リリースから10年近く経過しており、製品的な安定性や利便性の面でも進化しており、ホビーユースでも利用するハードルは低いと言えます。
レース志向の方だけでなく「変速を楽にしたい」「手が小さくても扱いやすくしたい」などの理由で電動コンポを導入するのもおすすめです。
コンポのアップグレードや新車購入を検討している方は、一緒に電動コンポも検討してみてください。
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