《解説》今更聞けない!「ハンドサイン」の種類・使うタイミングとは?
目次
ロードバイクで集団走行をしている方々が走りながら手でサインを送っているのを見たことがあるかもしれません。
これらは「ハンドサイン(手信号)」と呼ばれるサインで、道路交通法で定められたものもいくつかあります。
中には、サイクリストの間だけで使われるようなハンドサインもあるので、どのジェスチャーが何を表しているかを把握しておきたいですね。
そこで今回はロードバイクのハンドサインを解説していきます。
道路交通法で定められた3つの手信号
道路交通法では自転車などの軽車両による走行時における右左折や進路変更、停止などの際にハンドサイン(手信号)を出すことが原則として定められています。
「日常でハンドサインをしている自転車なんてほとんど見ない…」と思うかもしれません。
確かに、これらのハンドサインは出さなくても何ら問題はなく、むしろハンドルから片手を離す動作でもあるため路面状況などによっては危険も伴います。
道交法ではハンドサインを示すよりも安全運転義務の方が優先されるため無理に行う必要はありません。
それでも車道を走行する際、後続車に自分のアクションを示す手段として覚えておくと便利です。
では、まず最初に道路交通法で定められている3つのハンドサインを見ていきましょう。
①左折及び左方向への進路変更
左折及び左方向への進路変更を行う際には、右腕を水平に伸ばし、肘を垂直に上にむけることで合図を行います。
また、左上を水平に伸ばすジェスチャーでも同様の意味を示すことが可能です。
②右折及び右方向への進路変更
右折する際は右腕を水平に伸ばす動作で合図を行います。
③停止・徐行
停止や徐行をするときは、右腕を斜め下に伸ばして合図を示します。
サイクリストの間で使われるつのハンドサイン
道路交通法で定められているハンドサインのほかに、集団走行を行うサイクリストの方が互いに合図を送るために使われているハンドサインも存在します。右左折、停止以外にもさまざまなサインがあるので覚えてみてください。
①右左折
右左折や進路変更を行う際は、曲がる方の腕を水平に伸ばして後続車に合図を送ります。
②停止
停止するときは手を腰の位置に持っていき、手のひらをパーにして合図を送ります。
③道を譲る
後続車両などに道を譲って追い抜いてもらうときは、右手を仰ぐようなジェクチャーで追い抜くよう促します。
④左or右に寄ってください
左右どちらかに寄るように合図を送るには、腰の位置に手を持っていき、手のひらを寄る方向に向けた状態で仰ぐジェスチャーを行います。
⑤障害物注意
※指で地面を指す
路上に金属や大きな石などの障害物があった場合、地面に指をさすジェスチャーで合図を送ります。
道路交通法上の「停止」の合図と似ているため、サイクリストの間では「停止」のサインと分けて使うことが多いです。
⑥減速
後続車に減速を促す際は、手を腰の位置に持っていき、手を後方に向けて「閉じる」「開く」を繰り返すことで合図を送ります。
ハンドサインは「集団走行」におすすめ
ロードバイクにおけるハンドサインは、特に集団でトレインを組んで走るような方に推奨されます。
走りながらだと声による意思疎通ができないため、「どこで曲がるのか」「危ない箇所があるか」などを伝えることができません。
そこで便利なのが「ハンドサイン」です。
簡単なジェスチャーを使うことで後続車に合図を送り、安全かつスムーズな集団走行を行うことができます。
サイクリストによってはグループ内でオリジナルのハンドサインを採用することもあります。
日常生活でハンドサインは使うべき?
日常生活内での移動や1人で走るサイクリングでハンドサインは必要なのでしょうか。
正直な話、ハンドサイン自体がサイクリスト以外に認知されていないため、いちいち後続車に合図を送っても意味がないように感じる方も多いでしょう。
むしろハンドサインを出す際に片手運転になったり、ハンドサインを出したことに満足して後方確認を怠ったりする方が危険です。
実用性が低いと感じてしまうかもしれませんが、日常生活内の移動においてハンドサインを使った方がいいタイミングが1つだけあります。
それが「路駐車を追い抜くタイミング」です。
車道走行時に路駐している車を追い抜こうとすると、どうしても車道側に寄る必要があります。
後方確認をするのはもちろんですが、車側にしてみればいきなり自転車が車道側に飛び出してくるので危なく感じてしまうでしょう。
このような際に、先ほど紹介した「右方向への進路変更」のハンドサインが役立ちます。
こんなにピシッと腕を伸ばす必要はないのですが、後ろを振り返りながら右手を横に伸ばして「右側に寄るのでよろしく!」といった感じで車に合図を送ると安全に追い抜くことができるでしょう。
実用性が怪しいハンドサインですが、路駐車を追い抜くタイミングにおいては非常に便利なのでぜひやってみてください。
まとめ
ロードバイクにおけるハンドサインを解説していきました。
集団走行でサイクリングを楽しむ方はもちろんですが、日常生活内でも覚えておくとより安全に自転車で走ることができるでしょう。
そこまで普及しているものではありませんが、ハンドサインについてしっかりと理解して、便利かつ安全に使えるものを取り入れてみてください。
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