《解説》ロードバイクの【呼吸法】とは?呼吸を意識してパフォーマンスを向上させよう!
目次
ロードバイクは自分の身体をエネルギー源にして、前に進んでいくものです。
推進力を得るためには、パワーをペダルに伝えるのはもちろんですが、パワーを出すために筋肉へ酸素をより多く届けなければなりません。
そう考えると、筋肉に酸素を届ける上で「呼吸法」が非常に重要となってきます。呼吸法を意識して改善するだけで、パフォーマンスが上がるかもしれません。
そこで今回はロードバイクの呼吸法について解説していきます。
運動には酸素が必要
ロードバイクを前に進めるためには、ペダルを回転させて推進力を得なければなりません。
その際には、体内のATPと呼ばれる物質が分解されADPが産出されるエネルギーを使って筋肉を収縮させていきます。
しかし、運動を続けるためにはADPからATPを再合成しなければならず、その再合成をするためにグリコーゲンを酸素で燃焼して得たエネルギーを使用します。
エネルギーの産出に必要な酸素は呼吸によって体内に取り込みます。肺から血管を通じて、ヘモグロビンと酸素が結合し、血液を通じて筋肉に運ばれていきます。
こういったメカニズムから身体を常に動かし続けるロードバイクにおいて、いかに酸素を効率よく吸収することが重要です。
よくプロのロードレースの世界では、血液中の赤血球濃度(ヘマトクリット値)が高いほど、酸素を運ぶ能力が高く、優れた成績を収めるとも言われています。
ロードバイクにおける呼吸のポイント
ロードバイクは持久系のスポーツでもあるため、呼吸によっていかに酸素を体内に取り込み続けるかが重要です。
では、呼吸に関してどのような意識をすればいいのかを詳しく見ていきましょう。
①息を「吐く」ことを意識する
酸素を体内に取り込もうとすると、どうしても「吸う」ことに意識が向きますが、意外にも呼吸においては「吐く」ことを意識するのが重要です。
息を吐くときに頬を膨らませて、しっかりと息を吐くことで、その反動を利用して息を吸い込むことができます。
しっかりと息を吐けば、体内の二酸化炭素を排出することもできますし、その分、より多くの酸素を吸い込めるようになります。
②意識して深い呼吸をする
平地を走っているときは身体も楽で浅い呼吸をしていることが多いです。
そこから上り坂が続くと、身体への負荷も高まっていき、息が荒くなっていくはずです。
ロードバイクの呼吸法においては、このように路面に合わせて呼吸をするのではなく、常に深い呼吸を意識するのが重要です。
長時間走るロードバイクにおいては、たとえ平地であっても酸素をしっかりと取り込まなければ、ジワジワと体力や筋力を消耗していきます。
走行中は常に深い呼吸をして、体内に酸素を取り込む意識を持ってください。
③正しい姿勢で走る
呼吸によって酸素を効率よく体内に取り込むためには、走行中の姿勢も重要となってきます。
猫背になっていると胸郭が前後に広くなってしまい、横隔膜をしっかりと動かすことができません。
深い呼吸をするためには横隔膜をしっかりと動かす必要があるので、ロードバイクで前傾姿勢をとるときは、猫背にならずに背中を真っ直ぐ伸ばす意識を持ちましょう。
ヒルクライムでは上ハンを持って上体を起こしたフォームで走ると、呼吸を楽にしてより多くの酸素を取り込むことができます。
④肩甲骨を開く
これも乗車時の姿勢に関することですが、肩甲骨を開く意識を持つと息の通りを良くすることができます。
逆に、肩を落としたフォームにしてしまうと、酸素を吸収する効率が悪くなってしまいます。
⑤口をすぼめて呼吸をする
ヒルクライムで身体がしんどくなってくると、口が空いた状態で呼吸をするようになってきます。
しかし、体内により多くの酸素を取り込むには、肺の内圧を上げる必要があり、そのためには口をすぼめて呼吸するのが効果的です。
ロウソクの火を消すようなイメージで呼吸をするといいでしょう。
普段のトレーニングで呼吸を意識してみる
ここまで紹介した呼吸法を試してみるだけでも、サイクリングやヒルクライムで多少の違いを感じることができるでしょう。
しかし、体感レベルでは違いを感じづらい部分もあるので、可視化させて納得していくと続けるモチベーションになるでしょう。
最近では、血中酸素濃度を計測できるスマートウォッチも多数発売されています。こういったガジェットを使って、呼吸を意識しながらローラー台でトレーニングをして、血中酸素濃度がどのように変化するかを観察してみてもいいでしょう。
そこまでハイスペックなものでなくでも、心拍計を使って同じ負荷のトレーニングをさまざまな呼吸法や姿勢で試しながら、最も心拍数が安定するスタイルを見つけるというのも効果的です。
まとめ
ロードバイクの呼吸法について解説していきました。
息の吸い方・吐き方や走行中の姿勢など、いかにより多くの酸素を体内に取り込むかを意識してみてください。
呼吸法を意識するだけでも、いつものヒルクライムが楽に感じられたり、パフォーマンスが上がったりするのでおすすめです。
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